半夏厚朴湯

「半夏厚朴湯」

 

この文字を読める人は、医師か薬剤師、

若しくはこれを服用した経験のある人間だけだろう。

 

答えは はんげこうぼくとう と読み

これは喉のつかえ感や不安感を抑える漢方である。

 

私がこの半夏厚朴湯にお世話になり始めたのは、

2021年7月上旬。

 

忘れたがどこかの心療内科を受診し、貰ったことがきっかけだ。

 

そもそも心療内科を受診した理由は、なんの訪れもなく、極度の緊張感が身体中に走り、吐き気を催したからだ。

 

 

初めてその症状を体験したのは2021年6月。

 

大学四年生の私は就活に追われ、常日頃からありえないほどのプレッシャーとストレスを感じていた。

 

早く内定が欲しい、

先日最終面接を受けた会社から連絡が無い、

持ち駒(今後受ける予定の企業)を見つけるべきなのか、そもそも自分はコミュニケーション力がなく社会人として全く向いていないのではないか。

 

こんなストレスで常に切羽詰まった状況ではあった。

 

だが、6月中旬のある土曜日は違った。

 

身体中が緊張感で強ばり、食欲がなく、何にも手につけることが出来なかった。

 

今まで沢山のストレス事に対応してきたり、逃避してきたけど、今回は前例にない辛さ。

 

それはもう死ぬんだという確信が私の中にあった。

 

ベッドにしがみつき、ただただあの世へ行かないように顔を伏せ何も考えないことに意識を向けた。

 

「心が落ち着く曲」とYouTubeで検索しては、流した。が、効果は無かった。

 

 

私は学校の課題や受験勉強、部活動、人間関係、

バイト....今まで沢山のストレスを経験したことがある。

 

その度に友達にストレスの原因を話して発散したり、好きな映画やドラマを見て、ストレスそのものを忘れようとしていた。

 

そしてそれが出来ていた。

 

しかし今回ばかりはそれが出来なかった。

 

大好きなBTSを見てもTWICEを見ても余計に悪化しそうな気がしてならなかった。

 

これは就活が終われば、内定が貰えれば終わる辛さなんだ。

 

そう思い込んでとにかく耐えた。

 

精神科にかかるほど暇じゃないと思っていた。

 

その5日後には内定の連絡があり、ようやくストレスやプレッシャーから解放されたと思った。

 

そうだ、その時は確実に「就活」というストレスからは解放されていた。

 

もう前代未聞の謎の苦しさに耐える必要はなく、精神科に行く必要もなく、残り僅かの大学生活を楽しむ気でいた。

 

しかし、その2週間後、今度は電車に乗った時にパニック発作が出た。

 

外出先で吐きそう

 

これが私の最も辛い症状だった。

 

喉の当たりが今にもえぐり返されそうで

胃の中の物が人前で全て出そうな感覚に陥った

 

すぐに心療内科に行き、半夏厚朴湯と抗うつ薬をとらった。

 

半夏厚朴湯を服用して2ヶ月。

最近はほぼ喉のつかえ感はなく、吐き気もしない。

 

ただ憂鬱な気分になり、何もする気が起きず

自責の繰り返しだ。

 

今は抗不安薬で対応しているが、薬で治すだけでなく、生活面の改善で治していく方が望ましい。

 

どうか私から鬱っけがなくなりますように。